ゲシュタルト心理学と都市景観

ai0714ai2006-02-07

なんかすっごい題名つけてしまいましたが…
ある本の受け売りですw

続・街並みの美学 (岩波現代文庫)

続・街並みの美学 (岩波現代文庫)

高校時代に「街並みの美学」を読んでから、
ご無沙汰していましたが、
ようやく続編を読むことができました。
感想としては、
一言でいってしまえば、
「街並みの美学」が掘り下げられているというかんじ。


そのなかでも印象に残った話が

  1. 「壁の建築」・「床の建築」
  2. 「外から眺める景観」・「内から眺める景観」
  3. ゲシュタルト心理学と都市景観

この3つ。
とくにゲシュタルト心理学の話。
ゲシュタルト」と聞いて、
もしかしたら「ゲシュタルト崩壊」を思い出す人もいるかも。
トリビアでやってたアレです。
普段からよく知っている漢字がずっと見ていると突如変な形に見えてくる現象。
これが「ゲシュタルト崩壊」。
もともと「ゲシュタルト」というのは
「体系化された全体構造を指す形態」とかいう意味らしいですね。


この本の中では有名な「盃の図」をつかって
都市景観のあり方を「地」・「図」として説明しています。
つまり、
外部空間が「地」
建築ひとつひとつが「図」というわけです。
でも建築があつまればその建築の集合によってうまれる外部空間が
「地」から「図」として生まれ変わる。
これが広場や道のことです。


この「地」→「図」という変換が日本人はうまくできないんでしょうね。
むしろ建築ひとつひとつの「図」をいかにインパクト強くするかに
こだわりすぎているのではないでしょうか?
あたしは建築のことはさっぱりなので、
このへんは建築学科の方たちに意見してほしいところですが…


都市を海に例えるなら、
汐留とか六本木ヒルズは「島」だという話をきいたことがあります。
確かに、いきなり現れる超高層ビルは都市のなかで孤立します。
この例えをひっぱるなら、
街並みは「波」なような気がします。
連続した独特の線形で描かれる都市ひとつひとつの個性。
東京の波はでこぼこのがたがたです。
いや、むしろひとつの線にもならず、
意味もなく複雑に絡み合ったはちゃめちゃなイメージです。
すっごい高層ビルがあったとおもえば、
一本細い路地に入ると昔ながらの民家があったり。
そんな街も東京(とういうか日本)には少なくないんではないでしょうか。
もう、ぐちゃぐちゃってことです。


まぁたしかに東京は、
地震大国ということに加え焼け野原になったりと、
世界的に見ても他にあまり例のない都市でしょう。
そんな踏んだり蹴ったりされても、
先人たちは立ち上がり命をかけて復興させてきたわけです。


(これから
「今の東京の街並みが汚いのは急速な復興のせいだ」
という話をしたいのですが、
日本をここまで経済大国に成長させた先人の偉大さには敬意をはらわなくては。)


最初あたしは戦後復興において、
東京の都市計画なんてだれも考えなかったんだろう
と思っていましたが、
じつはそうでないようなんです。
まだまだ勉強不足なので細かいことは記せませんが、
都市計画は存在していたようなんです。
しかしそんな計画よりも、
国民の生活水準の向上や農地改革、
最優先の問題が山積みな上、
GHQも都市計画にはあまり興味を示さなかったようです。
そんなこんなできっと忘れ去られていってしまったのではないでしょうか?
どなたか詳しい方いらっしゃったら教えてください。


さて、土木といえばインフラ。
インフラの復興に国がかかっているといっても過言ではないのでしょうが、
実際のところどうだったんでしょうね?
戦後復興から長い目でみて東京オリンピックを経て高度経済成長期、バブル期まで。
公共性の高いものを建設するわけですから、
当然
費用削減、
機能性最重視、
が叫ばれる中での発展だったと思います。
ここでもうちょっと日本国民に心の余裕があったら、
もうちょっとましな東京ができあがっていたのではないかな
と残念におもってしまうんですよ。
もうちょっと街の景観を重要視した高速道路の建設や、
もうちょっときれいな高架だって当時の技術で造れたと思うのです。
まぁえらそうなことはいえませんが。。。。。


これからの街並みを変えるのは日本の場合、
インフラのデザイン性だとおもっています。
「インフラ」という言葉をつかうと意味が広すぎてちょっと語弊が生じますね。
えっとあたしが言いたいのは都市景観に大きな影響を及ぼすインフラ。
道路とか橋とか鉄道とかが代表的なところでしょうか?


こういう分野にはやくも挑戦していらっしゃるのが、
東大の社会基盤の篠原修教授らしい。
いろいろお話を聞いてみたいものです。
あ、もうちょっと勉強してからね…w






おそらくあたしがやりたい分野というのはこういう感じなんでしょう。
まだ実際には自分でもどうだかしりませんが。w
最近いろんな先輩に、
「どんな分野やりたいの?」
       って聞いていただける機会が多いですが、
残念ながらいつもあたしは、
「まだ決めていません」
    と答えることにしています。
いや、そうとしかまだ答えられないんでしょうね。
うぅ。




長くなっちゃった。
ここまで読んでくれた方ありがとう。
現実逃避でブログを書いてしまったaiでした☆w